時事備忘録

最近物忘れが酷いので・・・

裁判の誤解

裁判結果に納得がいかなかったり不当判決だという人がいる

これらの原因に裁判の仕組みやマスコミの偏向報道などがあり、いよいよ混乱する訳だが、この混乱を避けるためには基本中の基本を抑えておく必要があると思う

裁判というのは基本的に「救済」を目的として存在する

この時に大原則として

判決は該当本件のみに有効で法的拘束力は主文のみがこれを持つ」

ということを理解しておくことが大事だと思う

 

どういうことか?

「判決としての効力」のことを一般的に「法的拘束力」と呼ぶのだが

この「拘束力」は「主文」のみが持つのである

つまり具体的に何々をしろというのは、罰金であったり懲役であったり何らかの命令であったりするものは「主文」のみに書いてある

それ以外は「判決理由」の説明であって意味はあっても「法的拘束力」と呼ぶのではない

だが往々にしてマスコミはこの「判決理由を重視して報道したり、また敗訴は初めから分かっていても「判決理由に目的とする文言を書いてもらうために裁判を起こす人たちがいる

これが混乱の原因の一つだと思う

また「判決は該当本件のみに有効」のは裁判結果は訴訟の当事者にしか及ばない

似たような別の事件や未来に起こるであろう事件にまで効力を及ぼさないのである

裁判はあくまでその件のみについてその当事者のみで争うものだの

なので全国で同じ裁判が一斉に起こされてもそれぞれは別の個別裁判として取り扱われる

だから同じ裁判なのにA裁判所とB裁判所で違う判決が出る

なぜならこれらは同じ裁判ではなくそれぞれが個別の裁判だからだ

またややこしいのに「判例」というものがあるが、

この効力は「判例と違う判決は上告事由になる」のみである

判例と同じ判決を出さなければならない訳ではない

判例にせよ裁判例にせよ、他の裁判所に対して心理的「影響」があっても、法で定められた決まりがある訳ではなく、他の裁判所・判事を一切拘束しない

裁判所は個別の係争を個々に裁くところであって、それは具体的な主文によってなされる

つまり裁判所は社会ルールを決める場所でもなければ、社会に対して概念や思想を強制する場所でもないのだ

ましてやイデオロギーや政治闘争の舞台ではないのである