十河信二と新幹線
つづき
その目玉が「新幹線計画」であり「動力近代」とともに国鉄再生の柱と位置付けた
しかし、そのためには資金がいる
十河は赤字が確定している新規路線建設を拒否し続け、さらに運賃値上げを度々政府に要請した
当然、多くの国会議員たちから反発を買うこととなる
それでも十河は東大閥と化していた国鉄組織に風穴を開け、優秀な人材を大胆に抜擢し、さらに職員教育の為の鉄道学校などを設立していった
十河曰く「今の国鉄は腐っている。みんな本当の仕事をしていない」と
十河は国鉄改革を推し進めた
そのやり方は強引であったものの、徐々に賛同者をふやしていく
労働組合とも友好的とはいえないものの、組合代表者を経営に参画させるなど一定の成果を出していた
最終的には世論を味方につけ何とか新幹線建設着工にこぎつけたが、建設費が当初見積もりの倍になることが発覚し、責任を追及され、任期満了を待って国鉄総裁を退任することになったのだった
今考えれば、十河信二の存在は国鉄倒産を回避するターニングポイントであった
そして十河の退任以後、国鉄は崩壊に突き進んでいく