時事備忘録

最近物忘れが酷いので・・・

学問を変えたカント

哲学の話は難しいと感じる人も多いだろうと思う

まあ実際に難しいのだから仕方ない

哲学者の名前、ソクラテスだのヘーゲルだのニーチェだのサルトルだのと名前だけは誰でも知っている思うのだが、実際に何をした人かというのは知られていない

知られていないのだから、彼らの哲学が「世の中の何の役に立っているのか?」と思う人も多くいるが、それも当然ではある

そこで「イマヌエル・カント」の話をする

突然「カント」の話をする理由だが、昨日書いた「科学と宗教」の話に関係しているからだ


そこにある科学と信じるという宗教 - 時事備忘録

では「カント」の哲学がいったい「世の中の何の役に立っているのか?」ということであるが、結論からいえば「学問を根底から変えてしまった人」もっと大袈裟に言うなら「世界のすべてをひっくり返してしまった人」ともいえるだろう

どういうことか?

「カント」前と「カント」後では学問というものがまったく別のものになってしまった
ある意味において「カント」がいなければ「カント」後に出てきた学者は存在していないという話である

それまでの学問の中には例えば「死後の世界」とか「この世の果」とか「神の存在」とかが大いに議論されていたのだが「カント」が言ったことは

そんな答えが出る訳がない事について議論するのは時間の無駄だ」と・・・

つまり人間は五感で認識できないものを知ることはできないということである

カントは「死後の世界」とか「この世の果」とか「神の存在」について「わからない」の一言で全て論破してしまった

そして「五感で認識できる領域」を「科学」であるとしたのだ

それ以後「科学」という学問では認識できない領域を扱わなくなった

さらにカントは認識できない領域について「分かった気になる」ことを「理性の暴走」といった

カントは「死後の世界」が「ある」とも「ない」ともいってない

ただ認識できない領域について人間は知ることができないということだ

「理性」も「科学」も万能ではなく「わからない」領域が存在する

そして「わからない」領域について議論することは「科学」ではないのだ