時事備忘録

最近物忘れが酷いので・・・

イージス・アショアと戦略ミサイル防衛

イージス・アショアの計画が中止になり「戦略ミサイル防衛」をどうするかについて議論が行われている

その前にイージス・アショアとは何だったのかについて少し振り返りたい

 

日本が購入を予定していたイージス・アショアとはロッキード・マーティンの開発した「AN/SPY-7」を中心とした地上配備型のミッドコース防衛対弾道ミサイルシステムである

ミッドコースとは弾道ミサイルの航跡をブーストフェイズ(加速段階)ミッドフェイズ(中間段階)ターミナルフェイズ(終末段階)三段階に分けて、そのうちのミッドフェイズ。つまり宇宙空間で弾道ミサイルを破壊しようというものである

ちなみに航空自衛隊が運用するパトリオットはターミナルフェイズ。つまり大気圏再突入後の落下する弾頭を迎撃するミサイルである

 

イージスシステムとSM-3ミサイルによるミッドフェイズでの弾道ミサイル迎撃は現在、海上自衛隊イージス艦が担っているが、イージス・アショアは地上に迎撃システムを配備して陸上自衛隊に担当させようという考えである

これはどういうことかと言えば、海上自衛隊イージス艦は、弾道ミサイル迎撃のみを担当している訳ではなく、海上自衛隊の他の任務と掛け持ちである

護衛艦としての任務にプラスして弾道ミサイル迎撃の任務があるということだ

さらにイージス艦は船である以上、港に戻ってメンテナンスする必要であり、隊員も休養が必要である。

つまり24時間365日、弾道ミサイル迎撃任務に張り付いていることが出来ないし、24時間365日の警戒が必要なら複数艦でのローテーションさせる必要がある

 

一時期「イージス・アショア」は高すぎるなどの批判があった

「イージス・アショア」のシステムに1300億円かかるとの話がもとになっていたのだが
いったい何と比べて「高い」というのだろう?

イージス艦1隻1700億円(まや型)。乗員が300名。さらに複数艦でのローテーション
一方でイージス・アショアは1300億円で地上固定。運用は30人で回せる

つまり「イージス・アショア」導入の本当の目的は「コスト削減」と「人手不足の解消」にあるのだ

とくに海上自衛隊の「人手不足」はかなり深刻な状況にあり、まともに船が回せない状況にまで追い込まれつつある

 

さてイージス・アショアの計画が中止になり代案としてイージス艦2隻の新造である
1700億円×2隻。さらに「人手不足」から陸自や空自からの職種転換まで噂されている

 

高すぎる1300億円をやめて3400億円を支払う

人手不足解消の為に更に仕事を増やす

いったい何がしたいのだろう