時事備忘録

最近物忘れが酷いので・・・

軍事力について少しだけ詳しく説明

軍事力には大きく「制圧力」「抵抗力」「抑止力」がある

 

「制圧力」は軍事力の本質であり「他者に自らの意思を強要する力」である

「制圧力」は要するに「攻撃力」であるが、あえて「制圧力」するのは軍事力が相手を屈服させることにあり、攻撃だけではなく制圧して初めて意味を持つからである

「抵抗力」も同じく「防御力」ではあるが、あくまで相手の「制圧力」に対して屈服しない意思を示す為の「抵抗力」である

つまり単純に攻撃と防御ではなく「屈服させる」「屈服しない」意思の力の具現化が「制圧力」と「抵抗力」ということなのだ

 

最後に「抑止力」について

「抑止力」はやたらと使われる割に、軍事学における定義を理解してないで使っている人が多いように思う

「抑止力」も「制圧力」や「抵抗力」と同じ文脈の言葉なのだが、要するに軍事力の行使が「相手を屈服させることにある」のだから、軍事力を行使しても「返り討ち」にあうのでは意味がない

つまり相手の「制圧力」の行使を思いとどまらせる力が「抑止力」である

「攻撃を仕掛けても勝ち目がない」状況ならば「攻撃を仕掛けても意味がない」のである

戦争が「政治目的を果たす手段」である以上は「政治目的を果せる見込みのない攻撃」は無意味なのだ

つまり「抑止力」とは「攻撃を仕掛けても意味がない」と相手に思わせる力ということ

 

そして「抑止力」の面倒なところは、自分の「抑止力」を測る方法がないというところにある

「抑止力」は相手がどう思うかであって、例えば自衛隊の「抑止力」がどれくらいあるかは相手国しか知らない

中国に「日本の抑止力はどれくらいか?」と聞いたところで答えてくれる訳がないのだ

 

とはいえ、憶測で推定することはできなくもない

某総理が「最低でも県外」と発言し、日米関係が険悪化する中、中国の尖閣諸島周辺での活動が活発化したり、東日本大震災での「トモダチ作戦」について中国が日本の防衛関係者に対し執拗に説明を求めたりしたことは、日米安保の状態が中国にとっての重要関心事であることの証拠であるといえるのではないか?

 

しかし、明確に「抑止力」がどれくらいあるかというのは、やはりわからない

唯一、測る方法があるとすれば「毒ガスが充満していると思われる部屋で呼吸してみること」だろう

死んだら毒ガスがあったといえる

つまり一時的に「抑止力」を減少させることで、それでも戦争にならなければ「抑止力」はなかったといえるし、戦争になれば「抑止力」はあったということだ

 

「抑止力」を試すという行為は、失敗すれば即戦争になるのである