「社会主義」は敗北したのか?
今日「社会主義は資本主義に敗北した」という事になってはいる
確かに「社会主義」はソビエト崩壊とともに失敗に終わったのだが「資本主義に敗北した」というより「自滅した」という方が正しい解釈ではないのだろうか
そもそも「社会主義」は、封建社会が「産業革命」によって衰退し「封建主義」に変わる新しい社会概念が確立する前に、近代化による資本の集中によりなし崩し的に生まれた「資本主義」に反発する概念として生まれた経緯がある
封建領主の時代。貴族、領民、農奴は身分階級によってまったく別のコミュニティを形成し、その世界で生きていた
しかし産業革命によって、大きな土地ではなく大きな工場を持つことが重要になり、経済の比重が農村から都市へと移行していった
そしてそのなから中産階級が生まれ、更にブルジョアと言われる富裕層が出現し、それまで貴族の特権であった政治に市民(富裕層)関与しはじめた
同時に、これまで身分階級よる個別のコミュニティが破壊され、特に都市という一つのコミュニティの中に異なる身分階層が生まれていった
つまり「資本主義」とは封建時代の個別の身分階級が、産業革命によって一つのコミュニティの中の「資本家」と「労働者」という新しい身分階級へ変化したものといえる
しかしそれは「資本家」への富の集中と「労働者」に対する搾取という大きな社会問題となっていった
そして生まれた概念が人民の社会平等を目指した「社会主義」という概念である
さて、ざっと「社会主義」と「資本主義」の歴史を説明したわけだが「資本主義が勝利した」と言われる現在において、かつて産業革命直後に起こった「原理資本主義」つまり「利益のためなら他のあらゆる事を犠牲にすることが許される」という考え方が再び台頭しつつあるのではないか?
「社会主義は資本主義に敗北した」とはつまり「社会平等を重視する考え方」が間違えであり「利益のためなら他のあらゆる事を犠牲にすることが許される」という考え方が正しいという結論
それもグローバル企業による全世界的な富の吸い上げと労働搾取は、かつての産業革命直後に起こった「原理資本主義」を遥かに超えた規模で行われている
これは国境を超え個別の国々の法律さえも飛び越え、全世界で進行する第二の「産業革命」が起きているのではないのか?
で、あるなら再び「社会主義」が復活し台頭するので事があるのではないか?
そして今、世界で起きている様々な出来事。たとえば反グローバル運動、パリ暴動や既得権益化した左派に変わる新しい右派の台頭。トランプさんとアメリカンファースト。上流階層であるインテリ知識層の権威の失墜とネット言論による名もなき人々の声の増大
それらは新しい時代の新しい社会主義。その予兆である気がしてならない・・・