国の借金が増え続ける理由
よく「国は無駄遣いをして借金を増やした」という話を聞く
しかし「国が無駄遣いをした」ということについて、数字で説明したものを自分は見たことがない
たとえば「バラマキ」と批判される「公共事業」だが、現在その金額は最盛期の半分以下となっている
「公共事業」に限らず政府はあらゆる分野で歳出を削り続けているのだが「借金」はどんどん増え続けている
これはどういうことか?
ニュースで「政府予算」という言葉をよく聞くと思うが「政府決算」という言葉はあまり聞いたことがないと思う
民間なら「予算」よりも「決算」の方が重要なはずなのだが、国の場合「予算」ばかり重要視される
これがなぜかといえば「決まった予算は必ず執行される」からである
ここで不思議なことが起こる
財務省は税収。つまり企業でいう売り上げが予測に対して上振れすることを恐れるのである
民間企業なら売り上げが予想を上回れば喜ぶはずであるが、予算がすべての国は税収が上振れると既に決まられた予算との整合性がとれなくなる
ちなみに下ぶれれば国債を発行(借金)すればいいのである
更に予算を配る立場の財務省は予算が少ない方が「権威」が増すという不思議な現象がおこる
予算が欲しい各省は頭を下げて財務省へ出向く
税収が増えて予算が余れば財務省の立場が相対的に低下するのである
また予算作成の基準が税収ではなく税率にあって、税率が上がれば予算が増え税率が下がれば予算が減るという、実際の税収とは関係なく予算が決まる
だから平気で数兆円単位で税収が上振れたり下振れたりするのである
よく「財源はあるのか?」と言われるが、この財源とは「税率」のことであり、リフレ派が言う「財源は経済成長」という言葉を鼻で笑うのである
しかし実際に景気次第で数兆円も税収が上振れる現実をまったく無視して、税率にこだわる財務官僚の方が現実離れしているのではないか
現実の税収を無視し、予算至上主義で税収が足りなければ借金をする
そして景気が良くなり税収が上振れることを嫌う
これで借金が増えないほうがおかしい話である